昨年度、藤女子大学から4名の学生がフィンランド発祥の産官学連携イノベーション創出プラットフォームの「Demolaプロジェクト」に参加しました。学生は、約3ヶ月間にわたって他大学のチームメイトと多国籍のファシリテーターと協力しながら、未来のイノベーションについて考え、2024年2月6日にその成果を英語で発表しました。
2名の学生は、「日本で持続可能な街、住宅、家庭をつくるにはどうすれば良いのか」というテーマのプロジェクトに取り組み、家庭でのwell-beingの向上とgender equalityを促す『Wellity』というアプリケーションを考えました。『Wellity』は、ユーザーの性別役割分業に基づく伝統的な考えを一掃し、子どもを含む家族間やパートナー間で家事の分担を促すもので、家事分担の達成度に応じてポイントや家事スキル認定がもらえるシステムになっています。
他の2名は北海道大学大学院生1名と一緒に、ニセコの未来を考える「Niseko as the Next Generation Global Magnet」というプロジェクトに参加し、ニセコ町における新しいブランディングを考えました。ニセコ町には外国からの移住者が多く「日本の中の外国」とも言われていることから、海外移住に興味のある日本人のリタイア世代に対する全く新しいセカンドライフスタイル「Nise-co」を提案しました。“co-”から始まる英単語には「共に、一緒に」いう意味が含まれますが、健康的に過ごしたい方は“Nise-cohealth”、人との繋がりを大切にしたい方は“Nise-connection”のように、ニセコで一人ひとりが退職後に大切にしたい人生価値を皆で一緒に叶えることを目指します。
2月6日に行った発表会では活発な意見交換が行われ、学生のアイデアが極めて高い評価を受けました。Demolaプロジェクトへの参加によって、学生たちも英語力とコミュニケーション能力の向上を実感している様子でした。今後も、より多くの学生がDemolaプロジェクトに参加し、英語力はもちろん、現代社会において重要なスキルを身につけてほしいです。
(文責 ミア?ティッロネン)
【Demolaファシリテーターのネッタ?ホンギストさんからのコメント】
世界で起きている様々な現象を理解する上で、全てのチームメンバーはプロジェクトトピックの中から自分にとって重要な課題と可能性を特定することができました。3ヶ月にわたるプロジェクト期間中、両チームは、フィンランドやアメリカなど世界各地からの他のDemola参加者とつながり、お互いのアイデアを検証し合いました。プロジェクトを通じてチームメンバーが特に身につけたのは、21世紀型スキルともいう、コミュニケーション能力、創造性や情報リテラシーだと思います。
【参加学生からのコメント】
?Demola Projectは自分自身の英語力はもちろん、英語を使って思考することで自分のさらなるスキルアップに繋がると思います。実際にプロジェクトに参加し、自分の意見を持ち、それを共有することには価値があると実感しました。何か新しいことにチャレンジする際には、不安を感じたり、自分の実力を心配したりしてしまうかもしれませんが、少なくともトライすることに大きな意味があると思います。少しでも興味があると感じた学生の方は、このような機会にぜひ参加してみてください!
?他の国のチームとのミーティングを何度か行い、お互いのプロジェクトや国の文化などを話し合う中で異文化交流をすることもできました。普段の生活の中ではなかなかできない経験で、参加して良かったです。参加前は英語のディスカッションの授業などで英語を話すことに対して恥ずかしさがありなかなか積極的に発言できませんでしたが、このプロジェクト内では発言を多く求められるため、間違いを気にするのではなく、相手に自分の意見を伝えることに意味があるということを学びました。それによって大学の授業でも、英語ネイティブ?スピーカーの先生に自分から積極的に話しかけられるようになりました。