栄養教育学研究室では、児童養護施設の子どもたちを大学に招いて、毎月料理教室を行ってきました。昨年より、コロナ感染症の影響で残念ながら対面では実施できない状況が続いているため、今年はオンライン形式での料理教室を4回実施したので、そのようすを一部ご紹介いたします。
場所は、施設と大学それぞれ食堂と調理実習室を使用し、子どもたちと学生をオンラインでつなぎます。毎回2~4名の小学生が参加し、毎回異なるテーマで1時間程度料理や食育を行い、試食を行うという内容です。
学生による料理のデモンストレーションは、パソコンの前で行います。細かい調理法を見てほしいときは、写真のようにiPadを使って、手元の画像を見てもらいます。わからないところはないかなど、子どもたちに随時声をかけながら、実際に作ってもらいます。
オンラインでの実施は、複雑な調理作業を子どもたちに伝えることが難しく、また対面よりも疲れやすく飽きやすいため、できることは限られてしまいます。そのため、味や触感、色の変化が比較できるような実験の要素を取り入れた内容を取り入れています。下の写真は皮をむいたりんごを室温放置したときと塩水につけたときの違いについて、見た目や味の違いを比べたときのようすです。
また、別の回では茹で時間による卵の違いを比べてみました。子どもたちにどれがおいしいか尋ねると、固ゆでが好みの子どもと半熟が好みの子どもがいて、人によって好きな硬さに違いがあることにも気づいたようです。
アンケート結果では、「切るのが楽しかったです」「また何かの作り方をおしえてください」「とてもおいしく作れるなんてびっくりしました。」「色々なことを学んだりしてたのしかったです」などの感想が聞かれ、対面と同じような交流はできないものの、子どもたちに食への興味を持ってもらい、もっと知りたいという意欲を引き出せることがわかりました。