松田ゼミ(ESD:持続可能な開発のための教育)では後期、世界一幸福な国として有名なデンマークの幸福度と社会問題との関係性について学んでいます。デンマーク出身の童話作家アンデルセンの作品から現代の社会問題を見つめた著書(千葉忠夫「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」PHP出版、2009)をテキストに、互いに議論しながら学びを深めています。「みにくいあひるの子」「裸の王様」「マッチ売りの少女」「人魚姫」など、多くの人々がよく知っているこれらの作品には、貧困、差別、不寛容、大勢に引っ張られる人々の行動、欲望などといった当時の社会背景や状況が色濃く反映されています。そういった社会の生きづらさに気づき、現在のように幸福度世界一になったデンマークの人々の姿や努力、価値変容のプロセスを今の日本に置き換えて見つめ直す、というものです。議論しながらも、知らなかったことに気づいたり、新たな発想を思い浮かべたりと、学生?教員ともども学びを深めています。今回はアンデルセンの物語の中でもあまり知られていない「ナイチンゲール」を取り上げました。権威と欲との関係性、そして人としてどうあるべきかを考えさせられた回でした。
本ゼミでは、社会のさまざまな事象や問題、また可能性について今後も追究して行きたいと思います。